番外 東北関東大震災 四十九日特別法要 ダライ・ラマにハイタッチ! 4月29日



 
 昨日、東京都文京区の護国寺に於いて、東北関東大震災犠牲者の四十九日特別法要が行われ、来日中のダライ・ラマ14世他数十名の僧侶がお経を唱え、終了後はダライ・ラマ14世の心の込もったお話を聞くことができました。午後2時開始だったので1時半頃、護国寺に着いたら既に千人近い人がセキュリティチェックの為に並んでいました。当然、本堂に入り切れるわけはなく、広場に椅子が設けられ、なお座りきれない人が大勢いました。また4台の大きいスクリ−ンに本堂内のダライ・ラマ14世の様子などを映していました。コンサート会場ような感じです。
 チベット語のお経を低ーい声で唱え始めました。配られた小冊子にカタカナで表記されてましたが、今どこを読んでいるのか分からず、追うのを止めました。あの独特な低い声はそれだけで何か安心感があります。1時間弱くらいだったでしょうか、般若心経を唱えて終わりました。
 その後、ダライ・ラマ14世の法話がありました。以下、心に残ったお話のごく一部、概略です。

『人間が苦しい事や、問題、困難にあたった時、誰か知っている人から心配しなくていいよと言われると、とても心が休まり慰められる。だから、今回の大震災に際し、知人の沢山いる日本に来て言葉を掛けたかった。
 逆境に立った状況というものは、悟りに至る為の道、修行だと思って欲しい。起きてしまった事は無くすことはできない。悲しんだり、心配するだけでは役に立ちません。聖者シャーンティディーヴァ(日本語では寂天)の「入菩薩行論」によれば、
「もし何事かが起きて、対策が講じられるなら、なんとかする方法があるなら努力するべきだ。しかし、その様な方法がないならそれ以上悲しむ必要はない。」とあります。これは合理的、現実的な考え方です。起きてしまったことは取り返しがつかないから、これから勇気を出して先を見つめ、出来る限り再建復興のために努力をして頂きたい。』

 また、法王は、特に日本の若い人達に英語を話すことの重要性について常々お話になりますが、今回も同じお話がありました。

 お話も終わり法王が本堂から退出され、人だかりの中を通って行きます。両手を広げて、握手ならぬハイタッチ。というか手のひら、指先に少しでも触れたいという人々の気持ちを組んで歩いています。出来るだけ声を掛ける様にして。
 私の目の前に金髪ロングヘアーの美人が3人いたのですが、法王は彼女達を見つけると、立ち止まり、どこから来たのかとか質問していました。ロシアからと答えたその女性達に、ほんの2分くらいでしょうか、一言、二言。法王が去ると彼女達は興奮冷めやらぬ、信じられなーいという表情でお互い見合っています。なんて言われたのと聞いてみたら、ロシアから来たと答えたら、お国は色々大変だけれど頑張って欲しいと言われたとのことでした。ハッピーな3人でした。
 
 私も、法王の手に少し触れることができました。とても柔らかかったです。大震災の犠牲者の為の法要というよりも、ダライ・ラマ14世をひと目見たいという気持ちがすべてだった様に思います。