21日目① ラサ発成都へ。安全検査に引っ掛かる。 11月30日(火) 

   


 朝7時過ぎに起きて、コーヒーとクッキーとりんご。朝7時と言ってもこれは北京タイム?だから、まだ真っ暗。5時くらいの感じです。8時頃、1階のフロントに降りて行くとまだ真っ暗。ちょっと申し訳ないけれどフロントの才媛ペンタさんを静かーに呼んでみると、、、起こしちゃいました。チェックアウトと言ってもよく考えてみたら、ルームキーを返すだけでした。1回目に泊まった時はルームキーのデポジットがあったけれど、今回はなしだったので、別に返金もないし、冷蔵庫の飲み物も飲んでないし何かサービスも頼んでない。ま、とにかくチェックアウト。
 8時20分頃、ドライバーのジュグミーさんがランドクルーザーでやって来ました。少し後でガイドのジェムツォさんも来ました。8時半頃出発。ポタラ宮の前を通って郊外、ラサ・ゴンカル空港に向かいます。途中やけに歩哨の兵士が多かったです。何キロか行くと数人ひと組で兵士が立ってました。
 そう言えば、テレビのニュースで人民解放軍西蔵軍区なんとかかんとかの兵士達の交代があったと言っていました。数日前からなんだかそれらしい兵隊たちが街を歩いていました。新しいブカブカの軍服にちょっと頼りない感じの兵隊たちでした。ある時、若い将校みたいなのが従兵らしき部下に自分の軍帽を持たせて歩いていたので、ブン殴ってやろうかと思いましたがやめました!
 自分で出来る事を人に頼むのはおかしい。人間が出来てない。先行きが真っ暗。あの程度の幹部がどうやってこのチベットを警備するか知れたものです。
 
 空港に着くとこれまた軍のトラックが沢山いました。それはいいとして、これにてチベット滞在は終わりです。ジェムツォさんとジュグミーさんとお別れしてチェックイン。土産物は高いから見ない。愛想のいい係員もいるなーと思いながら、安全検査を受けました。
 問題がある、と言われ、何ですかと聞いたら、デイパックを指差し、ナイフが入っている、と。エーッ! ナイフー!そんな物ないですよ! これに入っている。どこですか、、、と見てみたら、確かにスイスアーミーナイフがありました。これは便利な6徳くらいのもので、15年か20年前、両親のヨーロッパ旅行のお土産です。毎日ベストのポケットに入れて歩いていました。いつも気をつけていたのですが、今回はたまたま忘れて持ってきちゃいました。弱ったなー、どうしょうかなーと考えていたら、後ろにいた英語ペラペラのちょっと洒落た格好の男性が、そのナイフはあきらめた方がいいね、でもなきゃ次の飛行機にするかだよ。なんて親切にアドバイス。ウーン。これは大事なナイフだから諦めるワケには行かないんですよ。さて困ったなーと思って係員の方を見たら、もう一度チェックインして荷物として預けて来い、と言うのです。エーッ?今からー?とも思ったんですが、時計を見ると出発時刻まではまだ1時間近くある。これなら全然焦ることはない、とわかりました。それで今来た通路を逆戻り。1階のチェックインカウンターに行って事情を話しました。このナイフを機内預かり荷物にしたいんです!それなら箱を買って下さい。箱?どこで買えますか?あそこです。振り向くとなんのことはない。7〜8メートルのところ、お土産屋の隣りに確かに箱が売っています。と言ってもナイフひとつなので、店員が気を利かせて新聞紙にしっかりナイフを張り付けて固定して箱に入れてくれました。それに強力なテープをかけてかなり箱が潰れましたが、まあ良し。カウンターに取って返して荷物を預けました。ふー。みんな喜んでくれました。助かりました。ありがとう。それで2階に上がり再び安全検査を受け、見事合格!さっき淡々ともう一度荷物を預けろと言ってくれた係員がいたのでお礼を言うと、淡々と頷く。愛想はないけれど的確な対応。なかなかよろしい。
 
 四川航空の小型の飛行機。11時45分離陸。快晴の中、山また山を飛び越えて、13時14分あっと言う間に着陸。32秒。
 行きは44時間、列車の旅も、帰りはたったの1時間半。情緒はないけれど、上空からの景色もいいものです。空港の人達も親切で良かった。
 さあ、久しぶりの成都です。