16日目② ラサ〜ギャンツェ〜シガツェ 11月25日(木)




 ギャンツェは人口6万人の小さな町ですが、チベット最大の仏塔で有名なパンコル・チョーデ(中国名:白居寺)があります。まず、その形がきれいです。高さ34メートルで8階13層の造り。上の方は空飛ぶ円盤が重なった様な仏塔。下の方は外側に角張った回廊が付いています。70を超す小さい部屋があり仏像・仏画などが納められています。
 
 これを見て行く為には回廊を回り、梯子の様な急な階段を上って行かなければなりません。息が切れます。標高3、950メートルです。沢山の仏像を見て写真も撮りましたが、ふらふらして来ます。これでもか、これでもかという具合に小さいお堂の様な部屋が連続しているので、途中、端折って先に進んでもいいのだけれど、なんとなく全部見ないといけない様な気持ちになります。次の部屋にはどんな美しい仏像がいるのかと思ってゼイゼイ言いながら歩いて行ったら、コワーイ形相の守護神だったりします。また、その次にはやさしい顔をした菩薩様。ここを回って行くのは大変だけれど止められません。
 
 小首をかしげてうつ向き加減でやさしい眼差し、、、。こんな女性いませんかね、、、、。
 
 何度も休憩して、水を飲み、ギャンツェの町を眺めます。回廊の白い壁の装飾は青、朱、金、緑などを使っています。パンコル・チョーデの裏山は万里の長城の様に壁が連なっており、1904年、イギリス軍に攻撃された時は、チベットの兵士が戦ったのでしょう。
 
 ポタラ宮、ノルブリンカ、このパンコル・チョーデなどはチベット人が守らなければならない貴重なものですが、今はただの古い建物に過ぎないという考え方もあるかも知れません。自由な信仰が認められているとは言えないこの地に於いては、既に魂が失くなっていると言う。「仏作って魂入れず。」ではありませんが、入っていた魂は自由な地に逃げてしまったと。真実を知らない私のレベルの旅行者にとってはどの建築物も素晴らしいとなるけれど、元々の主人からすれば、本物はどこにあるかと言われるかも知れません。
 
 観光客も町の人も少なく、何か取り残されてしまった様な、このギャンツェの町。寂しい感じがしました。