16日目①ラサ〜ギャンツェ〜シガツェ 11月25日(木)




 朝、8時頃、ホテルを出発。絶大な人気のトヨタランドクルーザー。ドライバーはジュグミーさん。ラサ初日、駅からホテルまで送ってくれた時以来です。ガソリンを満タンにしてラサを出るとすぐラサ河を左に見て走って行きます。かなりのスピードで。

 まず、ギャンツェを目指します。ラサの南西約260キロ。パンコル・チョーデという仏塔の美しいお寺があります。1904年、イギリス軍から攻撃された時の砲台の跡なども。標高3、950メートルというのが非常に気になります。ラサより300メートルほど高い。頭痛がしないか。
 そんな心配は山をグングン登って、カムパ・ラ峠に着く頃にはすっかり忘れていました。風の強い爽快な峠から美しく青いヤムドク湖を見渡せます。雄大な景色です。ラサの町がなんだかゴミゴミしてたのか、抑圧的なものを感じていたのか、とにかく気持ちのいいところです。
 湖まで降りて行くと水は冷たいけれど透明です。雪解け水はどこもほんとに青い。スイスのインターラーケン。丹沢の奥の沢。立山室堂付近。湖ではないけれど宮古島の海。こういうところに住んでいたら、さぞや心がきれいになることでしょう。さすが、チベット仏教四大聖湖のひとつです。因みにチベットでは湖は聖なる場所で、泳いだりボートに乗って遊んだり、魚を取ったりは出来ません。私の場合はすぐ泳ぎたくなりますが、ここはかなり冷たい。ちょっともったいないですが、観光的な施設は何もない。日本ならまずお土産屋さんとかボート屋、遊覧船なんていうのが真っ先に出来て、展望レストランとか観光旅館、あるいは、リゾートホテルなんかもスグ出来そうですね。実際、中国資本の宿泊施設が建築中とのことでした。無理もない。
 
 少し走ったら小さい村のレストランで昼ご飯。ヤク肉スープのモモ。実にうまい。
 
 昼ご飯の後も走る。どんどん走る。フト携帯電話が通じるかどうか試してみたら、ちゃんと日本に通じました。5、000メートルの山の中からだったので、母もびっくりしていました。
 しばらく行くとダム湖が見えてきました。こちらは人造湖ですが、水の色はやはりきれいです。湖の中に石造りの建物の跡が見えます。電力の為に立ち退きをせまられるということは日本でも現にある話。こちらはどんな話だったのか。
 写真を撮るのに山を登ったり降りたりしているとホント、スグ息が切れます。足を滑らせて湖に転落なんてことにはならないけれど、疲れます。それでも夢中で写真を撮ります。撮りたくなる。一生のうちにそう何度も見られる景色ではないと思って。(帰りも通りましたが、本当は別ルートを回る予定でした。今度は夏、山が緑の時に見たいです。)