13日目② ラサ セラ・ゴンパ 11月22日(月)





 
 午後2時、ガイドのジェムツォさんとヤクホテルのロビーで待ち合わせ、304のマイクロバスに乗って、セラ・ゴンパ(セラ寺)へ。20分くらい。料金は2元。セラ・ゴンパは丘の上にあり、参道は坂道になっています。両側に仏具や土産物などの小さい店が並んでいます。途中の食堂で遅い昼ご飯にしました。豚の角煮と青菜の炒め物、13元にミルクティ7元。計20元、260円。実にうまい。日当たりが良く暑いくらいでした。食堂に野良犬らしい中型犬が入って来て、お客さんが少し食べ物を与えています。チベットの人はいつも生き物を大切にしています。野良犬だからって追い払うような事はしない。
 坂道を登って行くと入口の門があります。さらに行くと建物がたくさんあります。お坊さんの住居や、色々な学校の教室、もちろん上の方には大切なお寺があります。住居をちょっと覗いてみると、太陽光でお湯を沸かす大きな鏡なんかがあって生活のにおいがします。

 このセラ・ゴンパでは夕方、僧侶による問答修行を見学することができます。内容はさっぱりわかりませんが、基本的には二人一組で、一人がある命題を出します。例えば「人生とは苦なり!」と相手に投げかける。と同時にパーンと手を叩く。すると、相手は例えばですよ、あくまでも、例えば、「否、楽なり!」なーんて答える。こんな単純なわけはないのですが、なんでも、ある種ユーモアをもって答えないといけないらしいです。
 どうりで、全体に和やかな雰囲気で微笑みが絶えない。頭を抱えて答えに窮している人もいますが、実に面白く見える。

 厳しい時ほどはた目には穏やかに見えることはよくあります。昔むかし、20代だった頃、格闘技のかの字くらいかじったことがありますが、トレーニングがハードになるほど先輩はニコニコしてます。こっちもなんだかキツイのに笑いが出てくる時があります。厳しいトレーニングを笑いのうちにこなしてしまうのでした。

 何か通じるものがあります。どんな時も余裕を失わないことは大切ですよね。
 ダライ・ラマ14世のインタビューをニュースなどで見ると、いつもユーモアたっぷりです。某国政府に悪魔だと言われたら、私には角ははえていませんよ、なんて言って自分の両手で角を作って頭の上にのせて大笑いしている有名なシーンがあります。ダライ・ラマ14世はさぞや、優秀な成績でこの問答修行を完成させたんでしょう。