3日目③ 成都市内 バイク事故現場 自己主張か自己中か。2010年11月12日

中国の交通事情がひどいということは成都に着いてすぐにわかりました。
車線を守らない、バイクが歩道を逆走する、交差点では我先に進む為、混雑する。特に信号が赤になりかけても突っ込んでくるので、反対車線の交通を邪魔する。ウインカーも殆ど使わない。車線を頻繁に変えて追い越しをする。割り込みをする。譲り合いの精神はない。いや、実はある?
などなど数え上げたらキリがないですね。交差点では交通指導員がいて、歩行者やドライバー、バイクや自転車の人にも信号を守る様に注意しています。

ある日、市内中心部からバスで20分くらい離れたところでバイク同士の事故を見かけました。こちらでは殆どが電動バイクなので、音もなくスーッと横を通り抜けられたりするとヒヤッとします。
この時は、歩道と車道の間のバイク専用レーンで衝突してました。まあ怪我はなかったようで、運転者同士「お前が悪い!」「いや、お前がよけないからいけないんだ!」(推測です)なんて怒鳴り合っていました。バイクは2台とも倒れたまま、狭いレーンをふさいで、ヤジ馬も集まって、ちょっとした渋滞。後から来たバイクは狭いところをすり抜けたり、歩道を走ったり、歩行者もいい迷惑。いっこうに倒れた2台のバイクを横の方に移動しようとしません。

まさに「自己中心的」ですね。自己主張が強いと言うのかも知れませんが、ちょっと考えれば、バイクを横に移動すれば他の交通を阻害しない事くらい誰でもわかるはずです。が、そうしない。お前が悪いとやり合ってる。

10年くらい前、ベトナムホーチミンシティで車とトラックのちょっとした接触事故を見た事があります。これも怪我はなく、バンパーがちょっと壊れた程度でした。ちょっとよそ見で追突という感じの事故でした。運転手同士話し合っていましたが、確か10分くらいで片方の運転手がお札を何枚か渡して終わり。あっさりしたものでした。どちらが悪いか分かりやすかったからかも知れません。

この成都の二人の運転者はどちらも引かず、ついには公安、つまりお巡りさんがやって来ました。それから今度はお巡りさんに猛烈にアピールするわけです。

自己主張する必要がある時は徹底してするのが中国人の考え方なのだと思います。とは言え、普通は、人でもバイクでも車でも、お互いによけ合ったりしているようです。ちょっと矛盾しているのでうまく説明できないのですが。実際、倒れたバイクを見てどかせ!と文句を言ったり、蹴っ飛ばして行ったりする人はいませんでした。道の真ん中で言い争っている人の権利?を認めているのか、あるいは全く我関せず。面倒を起こさない様にしているのか。
どちらかというと、少なくとも、ある程度までは後者、つまり面倒を避けているのではないかと思います。
二人の運転者も普通はうまい具合にヒョイとよけたりクラクションを派手に鳴らして、うまく走っていたはずです。でないと命がいくらあっても足りません。
この日はたまたま、お互いに目測なり、相手の出方を読み間違えたのでしょう。
交通ルールを厳格に守っていればまあいいのでしょうが、いかんせん人口が多い。弱肉強食とでもいうのか競争状態というのか、譲り合っていたら、いつまでも前へ進めない。それでは生きていけない。アジアのお約束とでもいうのか人口が多いところはどこも大変ですね。

あっそう言えば、マレーシアのクアラルンプールの街で、車のクラクションを鳴らしているのを聞いたことがありませんね。
同じアジアでも違う国もあるんですよね。アジアは面白い。